
本補助金の魅力をどう伝えているか
(1) 持続化補助金との類似性に着目した位置付け
北海道賃上げ環境整備支援補助金の基本設計は、国の小規模事業者持続化補助金とほぼ同様だと感じています。販路拡大と業務効率化という二大テーマを軸に据えており、これまで持続化補助金で実績を積んできた事業者であれば、申請の構成や考え方をスムーズに応用できる設計です。私はこの類似性を経営者の方々に丁寧にお伝えし、初めての方にも「決して敷居の高い補助金ではない」というメッセージを発信し続けています。既存補助金の経験を活かせる点は大きな強みです。
(2) 営業ツール強化・最先端機器・AI活用の三本柱
具体的な活用イメージとして私がご案内しているのは、営業ツールのブラッシュアップ、最先端機器の導入、そして生成AIの業務組み込みという三本柱です。ホームページのリニューアル、パンフレットや動画の制作、最新の業務機器導入、ChatGPTやClaudeなどのAIツール活用による業務効率化──いずれも300万円という上限額の中で十分実現可能な投資テーマです。経営者の方が漠然と「やりたい」と思っていた施策を、補助金を契機に具体化できる点が大きな魅力として受け止められています。
(3) 生産性向上を賃上げにつなげる好循環の提案
本補助金の最重要課題は何といっても賃上げです。私は単に設備投資の話に留めず、販路拡大と業務効率化によって生産性を高め、その成果を従業員の賃上げに反映させ、さらに会社の体力を高めるという好循環をご提案しています。補助金活用→生産性向上→賃上げ→人材定着→さらなる成長、というストーリーを描くことで、経営者の方々に「単発の投資」ではなく「中長期的な経営強化策」としてご理解いただけるよう努めています。これが共感を得るポイントです。
経営者から寄せられる好意的な反応
(1) 上限300万円・補助率4分の3への高い期待感
30社以上の経営者と直接対話してきた肌感覚として、総じて「上限300万円」「補助率4分の3」という条件は非常に魅力的だと評価されています。自己負担は4分の1、つまり300万円の投資なら自己資金75万円で実行できる計算です。中小・小規模事業者にとって、この補助率水準は他の国の補助金と比較してもトップクラス。「これだけ手厚いなら挑戦してみたい」という前向きな声が多数寄せられており、本補助金が地域経済の活性化に大きな起爆剤となる可能性を感じています。
(2) 必要機材・設備が補助対象範囲内に収まるケースの多さ
経営者からよく聞かれるのが「ちょうど欲しかった機材がこの補助金で買える」という声です。事業活動の中で「あれば業務がもっと回る」と感じていた機材が、300万円という上限内に収まることが非常に多いのです。自己資金で全額購入するとなると躊躇していた設備投資も、補助対象となれば前向きに検討できる──このギャップが申請意欲を強く後押ししています。日頃から「いつかは導入したい」と温めてきた構想を実現する絶好の機会として、多くの方が捉えています。
(3) 「挑戦する勇気」が湧く心理的効果
補助金の存在は、単に資金面の支援に留まらず、経営者に「挑戦してみよう」という心理的な後押しを与えます。失敗のリスクを国や自治体が一部分担してくれることで、これまで先延ばしにしていた新規投資や業務改革に踏み出せるのです。実際にお話しした経営者からも「補助金がきっかけで本気で考えるようになった」「中期計画を見直す機会になった」という声を多くいただきます。資金支援以上に、行動を促す触媒としての役割こそが、本補助金の真の価値だと感じています。
他補助金との併用を希望する声も多数
(1) 複数補助金を組み合わせた相乗効果への期待
経営者の中には、本補助金単体ではなく、他の国・道の補助金と併用して活用したいという声も非常に多く聞かれます。たとえば持続化補助金、ものづくり補助金、省力化投資補助金、IT導入補助金などとの組み合わせを想定し、複数の補助金を分野別・目的別に使い分けて事業全体をブラッシュアップしたいというご相談が増えています。単独申請より複合的な戦略の方が経営インパクトが大きいと判断する経営者が増えている印象です。
(2) 重複申請禁止という大前提ルールの理解
ただし併用には大原則があります。同一の事業計画・同一の経費で複数の補助金を申請することは認められていません。これは補助金制度の根幹に関わるルールであり、違反すれば不採択や採択取消、最悪の場合は補助金返還命令にもつながります。私が経営者にご説明する際は、この重複申請禁止の原則を必ずお伝えし、「同じ機材を二つの補助金で取得することはできない」という基本ラインを明確にした上で併用戦略を組み立てるようご案内しています。
(3) 分野別・目的別申請による戦略的活用法
実務的な併用戦略としては、補助金ごとに対象事業を明確に分けることが鉄則です。たとえば本賃上げ補助金で業務効率化機器を導入し、持続化補助金で販路拡大施策を実施し、IT導入補助金でクラウドサービスを導入する──といった形で、目的と経費を補助金ごとに切り分けるのです。それぞれの補助金の趣旨に合わせた事業計画を作成すれば、合法的かつ効果的に複数補助金の恩恵を受けられます。戦略次第で投資総額を大きく広げることが可能です。
一方で、賃上げ要件への慎重論も
(1) 「4%の賃上げは決して軽くない」という現場感覚
本補助金は賃上げ要件が組み込まれており、その水準として「4%の賃上げ」が議論の対象となります。多くの経営者から「4%と言葉では簡単だが、現場では決して軽い数字ではない」という率直な声を伺います。固定費としての人件費が大きく増えることは、利益率の低下や資金繰りへの影響に直結するため、経営判断として慎重にならざるを得ないのです。特に物価高騰下で本業の利益確保が難しい今、この水準への到達は容易ではないというのが多くの経営者の実感です。
(2) 「一度上げた賃金は下げられない」リスクへの懸念
賃上げに対する慎重論の背景には「賃金は一度上げたら、なかなか下げることができない」という構造的な制約があります。労働条件の不利益変更は法的にも事実上困難であり、業績悪化時にも人件費を維持し続けるリスクを抱えることになります。「補助金は単年度の支援だが、賃上げは恒久的なコスト」というギャップに、経営者は強い慎重姿勢を示しています。私はこのリスクを正面から受け止めた上で、生産性向上による収益増加で吸収する戦略を一緒に練ることを心がけています。
(3) 物価高騰・国際情勢の不透明感が判断を遅らせる
もう一つの大きな要因は、足元の物価高騰と国際情勢の不透明感です。「ガソリンや原材料の価格が読めない」「もう少し様子を見てから判断したい」という経営者の声も少なくありません。中東情勢やエネルギー価格の動向によって事業環境が大きく変わる中、新規投資と賃上げという二重のコミットメントには慎重にならざるを得ないのです。判断材料が揃うまで様子見をしたいという心理は、経営の現場では合理的な反応とも言えます。
それでも、申請に挑むべき理由
(1) 申請のチャンスがあれば積極的に挑戦すべき
私自身の見解として、申請できるチャンスがあるなら積極的に挑むべきだと考えています。補助金は採択されればもちろん大きな資金的メリットがありますが、たとえ不採択でも事業計画を磨き上げる経験は決して無駄になりません。「待っていればもっと良い条件が出る」と先延ばしにする間に、競合他社は申請して採択され、設備投資や人材投資を進めてしまいます。動いた者が得をするのが補助金の世界。挑戦すること自体が経営者にとって大きな価値ある経験となります。
(2) 補助金挑戦が中期ビジョン・事業計画の明確化につながる
補助金申請の最大の副次効果は、自社の中期ビジョンや事業計画がクリアになることです。申請書類の作成過程で、「自社の強み・弱み」「市場環境」「3〜5年後の目指す姿」「投資効果」などを徹底的に言語化する必要があります。この作業を通じて経営者自身の頭の中が整理され、社内にも明確なビジョンを共有できるようになります。補助金獲得は結果のひとつに過ぎず、申請プロセスそのものが経営の質を高める貴重な機会となるのです。
(3) 戦争長期化下でも、行動を止めない判断軸を持つ
ウクライナ情勢や中東情勢の長期化により、ガソリンや石油の動向が読めない状況は続いています。様子見の姿勢になることは経営者として当然の反応であり、その判断を否定するつもりはありません。しかし不確実な時代だからこそ、自社でコントロールできる施策──生産性向上、人材投資、デジタル化──には積極的に取り組むべきです。補助金は、こうした「自社で打てる手」を後押しする貴重な制度。状況を見極めつつも、行動を止めない判断軸を持つことが今こそ重要だと感じています。
「補助金申請を検討しているけど何から始めていいか分からない」「いろんな補助金があるけど、どれがうちに合っているの?」などでお困りの方は、弊社までお気軽にお問い合わせください(TEL0157-57-6795)。
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