北海道賃上げ補助金、よくある質問10選。「うちは対象?」から申請の注意点まで一問一答

北海道が実施する「中小・小規模事業者賃上げ環境整備支援補助金」は、賃上げに取り組む道内の中小企業を幅広く支援する制度です。通常枠で最大200万円、促進枠で最大300万円の補助が受けられるとあって注目度も高まっています。しかし、「うちの会社は対象になるの?」「何に使えるの?」といった疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。本記事では、実際に寄せられることの多い質問を厳選し、公式情報に基づいて一問一答形式でわかりやすく解説します。

①「うちは対象になりますか?」

(1) 対象企業の基本条件

本補助金の対象は、道内に本店(個人事業者は住所)を置く中小企業基本法第2条に規定する会社(株式会社・有限会社・合同会社・合名会社・合資会社・士業法人)または個人事業者です。業種ごとに資本金・従業員数の上限が定められており、製造業・建設業・運輸業等は資本金3億円以下または従業員300人以下、卸売業は資本金1億円以下または従業員100人以下、サービス業は資本金5,000万円以下または従業員100人以下、小売業は資本金5,000万円以下または従業員50人以下が基準です。

(2) 対象外になる法人形態に注意

すべての法人が対象になるわけではない点にご注意ください。公式資料では、社会福祉法人・医療法人・農業組合法人・農事組合法人・社団法人・財団法人・学校法人・有限責任事業組合は対象外の法人形態として明示されています。また、発行済株式の2分の1以上を大企業が所有している場合や、役員の2分の1以上が大企業の役員・従業員である場合は「みなし大企業」として対象外となります。

(3) 判断に迷ったときの対処法

自社が対象かどうか判断がつかない場合は、北海道経済産業部中小企業課経営支援係(TEL:011-204-5331)に直接問い合わせるのが確実です。中小企業等協同組合やNPO法人(従業員300人以下)なども対象となるケースがありますので、法人形態だけで諦めず確認してみましょう。グループ企業との資本関係で「みなし大企業」に該当しないかも事前にチェックしておくと安心です。

②「従業員がいなくても申請できますか?」

(1) 新たに雇用すれば申請可能

公式チラシには「現在従業員がいなくても、新たに雇用した場合は申請が可能です」と明記されています。これは、一人社長やフリーランスに近い形態で事業を営んでいる方にとって非常に心強いポイントです。これから人材を採用して事業を拡大しようと考えている経営者の方も、本補助金の活用を検討する価値があります。

(2) 賃上げ要件との関係

本補助金は「雇用している従業員の賃上げ」が必要条件です。通常枠では賃上げ率は問わない(0%超)、促進枠では4%以上の賃上げが求められます。賃上げの判定は2025年(令和7年)12月時点と比較し、事業終了時点までに実施する必要があります。新規雇用の場合も、採用した従業員に対する賃上げの実施が求められますので、雇用計画と賃上げ計画をセットで検討しましょう。

(3) これから採用を考えている方へ

採用と補助金申請を同時に進めることで、人件費の負担を軽減しながら事業基盤を強化できます。補助金を活用して業務効率化のためのシステム導入や研修を行い、その成果として生産性を高めて賃上げにつなげるという好循環を生み出すことが可能です。採用計画がある方は、募集開始の4月中旬に向けて早めに準備を進めておきましょう。

③「通常枠と促進枠、どちらで申請すればいいですか?」

(1) 2つの枠の具体的な違い

通常枠と促進枠の最大の違いは、補助率・補助上限額・賃上げ要件の3点です。通常枠は補助率1/2、上限額200万円で、賃上げ率は0%超(率を問わない)。一方、促進枠は補助率3/4、上限額300万円と手厚い支援が受けられますが、前年度比4%以上の賃上げが必要です。投資計画の規模と自社の賃上げ余力を踏まえて、最適な枠を選択しましょう。

(2) 選択の分岐点は「賃上げ4%」

どちらの枠で申請するか迷った場合、ポイントは「4%以上の賃上げを実現できるかどうか」です。4%とは、例えば月給25万円の従業員であれば月1万円の賃上げに相当します。促進枠は補助率が3/4と高いため、同じ300万円の事業でも自己負担は75万円で済みます(通常枠なら150万円)。賃上げ4%が達成可能であれば、促進枠の活用が経済的に有利です。

(3) 迷ったらまず賃上げ余力を確認

枠の選択に迷う場合は、まず自社の財務状況と賃上げ余力を確認してください。直近の決算書や資金繰り表を見ながら、どの程度の賃上げが持続可能かを検討しましょう。賃上げは2025年12月時点と比較して事業終了時点までに実施する必要があるため、中長期的な視点での判断が重要です。無理に促進枠を選んで達成できないリスクよりも、確実に実行できる計画を立てましょう。

④「何に使えますか?ホームページ制作や広告費も対象になりますか?」

(1) 対象経費の幅広さ

本補助金の対象経費は「新事業展開、新商品・サービス開発、設備投資(デジタル技術の導入を含む)、人材育成・確保・定着、販路拡大など、賃上げ環境の整備に要する経費」と幅広く設定されています。具体例として、機械装置・システム導入費、クラウド使用料、広報費、展示会出展費、開発費、専門家謝金、委託費、外注費、研修費などが公式チラシに列挙されています。

(2) 具体的な活用例

実際の活用イメージとしては、業務効率化のためのPOSレジやクラウド会計ソフトの導入(クラウド使用料・システム導入費)、新商品PRのためのホームページ制作やチラシ作成(広報費)、従業員のスキルアップのための外部研修受講(研修費)、製造ラインの改善のための専門家コンサルティング(専門家謝金)などが考えられます。ホームページ制作や広告費も広報費として対象になり得ます。

(3) 対象外となる経費に注意

一方で、補助対象経費の詳細については現在も検討中の部分があるため、正式な募集要項で必ず確認してください。一般的に、汎用性の高いパソコン等の購入費、車両取得費、不動産取得費、人件費そのものなどは対象外となるケースが多いです。また、補助事業期間外の経費や他の補助金と重複する経費も対象外です。事前に対象経費の一覧をしっかり確認しておきましょう。

⑤「いつ申請できますか?今から何を準備すればいいですか?」

(1) 募集スケジュール

公式発表によると、募集期間は4月中旬頃から6月下旬頃を予定しており、採択決定は8月頃の見込みです。なお、申請要件の詳細は3月下旬以降に公表予定とされていますので、北海道の公式サイト(https://www.pref.hokkaido.lg.jp/kz/csk/249117.html)をこまめにチェックしておきましょう。予算に達し次第終了となる可能性もあるため、募集開始後はできるだけ早い申請をお勧めします。

(2) 今すぐできる3つの準備

募集開始前にできる準備として、まず「賃上げ計画の確認」があります。通常枠なら0%超、促進枠なら4%以上の賃上げを具体的にシミュレーションしましょう。次に「パートナーシップ構築宣言」の登録・公表です。これは加点要素となっており、ポータルサイト(https://www.biz-partnership.jp/)から登録できますが、公表までに時間がかかるため早めの対応が必要です。最後に「GビズID」の取得です。電子申請に必要となるため、未取得の方は今すぐ手続きを始めてください。

(3) 申請に向けた行動計画

GビズIDの取得には2〜3週間かかることがあるため、4月中旬の募集開始に間に合わせるには今が準備のラストスパートです。また、申請書類の作成には事業計画や見積書の準備も必要です。補助対象経費の具体的な見積もりを取っておくことで、募集開始後にスムーズに申請書を作成できます。補助金申請に不慣れな方は、専門家や商工会議所への相談を早めに行っておくと安心です。

「補助金申請を検討しているけど何から始めていいか分からない」「いろんな補助金があるけど、どれがうちに合っているの?」などでお困りの方は、弊社までお気軽にお問い合わせください(TEL0157-57-6795)。


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